ダッシュボードの上に車のキーが見えるのに、ドアは固くロックされて開かない。そんな絶望的な「インロック(キー閉じ込み)」に遭遇した時、専門業者に解錠を依頼すると、一体どれくらいの料金がかかるのでしょうか。その料金は、依頼先、車種や鍵の種類、そして時間帯によって大きく変動します。無用な高額請求を避けるためにも、費用のリアルな相場感を事前に把握しておくことは、非常に重要です。まず、最も費用を抑えられる可能性が高いのが、「JAF」または「自動車保険のロードサービス」を利用する場合です。JAFの個人会員(年会費四千円)であれば、キー閉じ込みの解錠作業は原則として無料です。非会員が依頼した場合は、昼間の一般道で一万三千円程度、夜間や高速道路ではさらに割増料金がかかります。同様に、自動車保険にロードサービスが付帯していれば、こちらも無料で対応してくれることがほとんどです。まずはこれらのサービスの対象者であるかを確認するのが、料金を抑えるための鉄則です。次に、これらのサービスを利用できない場合に依頼することになるのが、「鍵の専門業者(鍵屋)」です。鍵屋の料金体系は、主に「基本料金」「作業料金」「出張料金」で構成されています。広告などで「三千円から」と安価な料金を謳っている場合でも、それはあくまで基本料金であり、最終的にはこれら全てを合計した金額が請求されます。一般的な国産車で、ギザギザした形状の刻みキーの場合、総額で八千円から一万五千円程度が相場と言えるでしょう。しかし、防犯性の高いウェーブキー(内溝キー)や、特殊な構造を持つ外車の場合は、解錠の難易度が上がるため、一万五千円から三万円以上になることもあります。さらに、忘れてはならないのが「時間外料金」です。多くの業者は、夜間(午後八時以降など)や早朝の作業には、通常料金の二割五分から五割増しの割増料金を設定しています。深夜に依頼した場合は、総額が数万円に及ぶことも覚悟しておく必要があります。
車インロック解錠料金のリアルな相場