車のインロックで困った時、頼りになるプロの助けは主に二つあります。それは「JAF」と「鍵の専門業者(鍵屋)」です。どちらも現場に駆けつけてドアを開けてくれますが、その料金体系とサービス内容には、明確な違いが存在します。自分の状況に合わせて、どちらを選ぶのが最も賢明なのか、その判断基準を比較検討してみましょう。まず、「JAF」の最大のメリットは、会員であれば、その料金が原則として「無料」であることです。年会費(個人会員は四千円)を支払っていれば、キー閉じ込みの解錠作業に追加の費用はかかりません。これは、コストパフォーマンスという点で、圧倒的な強みと言えます。また、全国を網羅する広大なサービス網と、厳しい訓練を受けた隊員の高い技術力による、安心感も大きな魅力です。ただし、JAFの弱点は、会員でなければ、その料金が非常に割高になるという点です。非会員がインロック解錠を依頼した場合、昼間の一般道でも一万三千円程度、高速道路や夜間となれば、さらに高額な料金がかかります。次に、「鍵の専門業者(鍵屋)」です。鍵屋のメリットは、その「スピード」と「専門性」にあります。多くは二十四時間三百六十五日対応しており、JAFの到着を待てないような、一刻も早い解決を望む場合には、非常に頼りになります。また、鍵開けのプロフェッショナルであるため、最新の特殊な鍵や、高級外車など、JAFでは対応が難しいケースでも、開けられる可能性が高いです。しかし、その分、料金はJAFの会員サービスに比べて高額になります。一般的な国産車でも、総額で一万円から二万円程度が相場であり、深夜料金などが加われば、さらに費用はかさみます。結論として、あなたがJAF会員、あるいは自動車保険のロードサービス(多くはJAFと同様のサービスを提供)に加入しているなら、迷わずそちらに連絡するのが、最も経済的で賢明な選択です。もし、いずれの会員でもなく、かつ、緊急性が高い状況であれば、複数の鍵屋から総額での見積もりを取った上で、最も信頼できる業者に依頼する、という流れが最適解となるでしょう。