車のインロックは、時と場所を選ばずに、突然やってきます。もし、その場所が、深夜の住宅街や、あるいは、高速道路の上であったなら。その解錠料金は、日中の一般道でのトラブルとは比較にならないほど、高額になることを覚悟しておかなければなりません。なぜなら、そこには「時間外割増料金」と「特別料金」という、二つの大きな追加費用が、上乗せされるからです。まず、「時間外割増料金」です。ほとんどの鍵屋やロードサービスでは、夜間(一般的に午後八時や十時以降)から、早朝(午前八時頃まで)にかけての作業には、通常の日中料金に、割増料金を設定しています。その割増率は、業者によって異なりますが、おおよそ「二割五分から五割増し」が相場です。例えば、日中の作業料金が一万円だった場合、深夜には、一万二千五百円から一万五千円になる、という計算です。業者によっては、一律で、五千円から一万円程度の深夜料金が、固定で加算される場合もあります。次に、より特殊な状況である、「高速道路上」でのインロックです。高速道路での作業は、後続車との接触事故などの危険が常に伴う、非常にリスクの高い作業となります。そのため、通常の出張費や作業料金に加えて、「高速道路作業料金」といった、特別な追加料金が設定されているのが一般的です。その金額は、業者によって大きく異なりますが、一万円から二万円以上の追加料金がかかることも、決して珍しくありません。また、JAFや自動車保険のロードサービスを利用する場合でも、高速道路上での作業は、一部が有料となったり、サービスの対象外となったりするケースもあるため、事前の確認が必要です。深夜の高速道路という、最悪のシチュエーションでは、これらの割増料金が重なり、解錠だけで、総額が三万円から五万円以上に及ぶ可能性も、十分に考えられます。この現実を知っておくことは、日頃から、インロック防止への意識を高めるための、何よりの動機付けとなるはずです。
深夜や高速道路でのインロック料金